ubusuna stories | vol.1 | ubusunaを着る理由
ubusunaを着る理由
「郷土愛」地元熊本への思い
「ubusuna」は、洋服でも和服でもない、長く愛せる「日本の服」をコンセプトとして2024年1月に誕生したジェンダーレス、エイジレスなファッションブランドです。自然崇拝を起源とする日本人の根底にある、水や雲のように流れ行く形、歪、侘や寂びの美意識を、和服とは異なる解釈でとらえ、かつ洋服のように身体を支える機能性を備えています。
そのubusunaを社員制服として導入いただいたトータルコンサル社。ubusuna代表の古荘と、トータルコンサル代表の中島様に導入の経緯を伺いました。
トータルコンサル株式会社
中島 幸二
トータルコンサル株式会社の代表取締役として、企業コンサルティング分野において豊富な実績を誇るリーダーです。食品安全管理システムや省エネルギー技術の導入を通じて、多くの企業の成長を支援し、持続可能な発展を促進してきました。食品製造工場の設置や運営、物流、商業施設の開発に至るまで、幅広い事業領域に精通しており、クライアントに対して常に最適なソリューションを提供しています。その確かな専門知識と実践的なアプローチにより、企業が直面する課題を的確に解決し、ビジネスの成功を導く信頼のパートナーとして評価されています。
古荘:いつもお世話になっております!本日はよろしくお願いします。
中島社長:こちらこそよろしくお願いします。
古荘:あらためて中島社長のお仕事について教えていただけますか?
中島社長:トータルコンサルは、熊本県内の桜町にありまして、決算は12期目になります。建設や食品加工場などのHACCPですとか、私が洋菓子協会や菓子工業組合の賛助会員をさせていただいているので、そういった食品の工場などのコンサルと設計、商社的なことをやらせていただいております。
地元 熊本への思い
中島社長:数年前、熊本地震が起き、その後色々な災害もありました。私は商工会・商工会議室の青年部をさせてもらっている中でボランティアにも参加したのですが、本当に大変な状況でした。私の実家である人吉のあたりも豪雨災害があり、実家はギリギリセーフだったのですが、熊本は結構まだ爪痕が残っています。
熊本城は復興までにまだ20〜30年はかかり、人吉も30年〜35年前は人口が4万6千ほどだったのですが、現在は2万人を切るんじゃないかというレベルまで減少しています。そんなこともあって、地元のことも気にかけながら商売をさせてもらっている中で、今回は古荘社長から熊本県産ブランド「ubusuna」を紹介してもらい、作っている場所のひとつも「あさぎり」だったり、使用しているものも熊本県産「肥後木綿」だったりで。地域のブランド「ubusuna」というものをPRしていくことによって地域産業を盛り立てるお手伝いをさせていただければと思っています。
仕事上、やりとりする方が、だいたい熊本県以外の方なのですが、「ubusuna」を着てズームミーティングや会議に参加することが多いんです。その時にお相手から「それどこのですか?」と聞かれることが結構ありまして、「実は熊本県産なんです!」とお答えしてPRしているんですよ。みなさんから結構人気があるんです!「買いたい!」と言ってもらうこともよくありますが、「熊本に来ないと買えませんよ!簡単には買えないんですよ!」と答えたりして(笑)
古荘社長もおっしゃっていましたが、いつか熊本だけではなく「全国のubusuna」として、たくさんの方に知っていただければ、と私も思っています。だんだん周りにも、「ubusuna」を着ている方が増えてきたので、古荘社長にはちょっと無理をいって1点ものの特別なものを作っていただいたくらい、私のお気に入りのブランドなんです。
古荘:これはちょっと記事にしないほうがいいかもしれないですけど、先日も古荘本店で日傘を330本ご購入いただいて、それを山江村の方々に寄付してくださったんです。ただ誰がプレゼントしたのかは「あまり公にはしないでね」ということで。なので地元の方々は「令和版のタイガーマスクだ!」と話しているんですよ。
中島社長:そうなんです。これをきっかけに全国で日傘運動が広まれば良いな、と。今年だけではなく、毎年やっていこうと思っています。日傘、非常に好評だったんですよ。山江村は本当に暑い場所でして、、水害も大変でしたし。山江村の校長先生は、私が中学校2年の時の担任だったりして縁も深いので。
「ubusuna」を自社の制服に選んだ理由
中島社長:PRの一環としてうちの会社の従業員には、月曜日と火曜日は「ubusuna」を着てもらって、水曜日は古荘本店で作っていただいたワンピースを着用してもらっています。
古荘:本当にお世話になっております。
中島社長:私としては、「ちゃんとした服を着ないとちゃんとならん」という考えがありまして。うちの従業員は私より年下ばかりなので、お子さんも小さいのですが、子どもたちにも「ちゃんとした服を着させて勉強して学ぶ」機会を作ってあげないと、と思っています。
古荘:「ちゃんとした」というのは、「きちんとしている」というような意味だけではなく、熊本産のものを使って作られていたり、職人さんの手仕事で作られていたりといった、歴史や伝統、気持ちがこもった服であるという意味の「ちゃんと」ですかね?
中島社長:そうですね、子どもたちには「人はみんな共に歩いてるんだよ」ということを理解して欲しいと思っています。今は核家族が増えてきて、おじいさん、おばあさんたちと関わることが少ないですよね。「ubusuna」を通して「地域とは?」「支え合い・助け合いとは?」といったことを学んでもらえると良いなと。
古荘:実際従業員の皆さんは、どういう感覚で「ubusuna」を着用してくださっているんですか?
中島社長:制服の中で一番着やすいって言っていますよ。これで来る子もいますし、すごくみんな喜んでいます。「ubusuna」の服は安くはない服なのでやっぱり気を付けて着てくれています。うちでお取引をしてくださったお客様で、熊本県内のクリーニング屋さんがいらっしゃるのですが、そちらでいつも全従業員のクリーニングを週2回お願いしているんです。そこでも気を遣って丁寧にクリーニングしてくれていますよ。経営者が同じ年の地元の方なのですが。
スーツの仕立て屋さんもいっぱいありますけど、どうせだったら同じ年の地元の方に発注した方がいいですし、仲間感を感じられるので。そういう繋がりも先輩方が大切にしてきているのを実際見てきたので。そういうのが地域のビジネス、地域の連携ということなのか、と。「ubusuna」をPRさせてもらっているのもその一環でやらせてもらっています。
古荘:地元の服を着るということにこだわっていらっしゃる会社さん、あまり無いですよね。
中島社長:確かにそうですね、藍染のものとかジーンズであったりポイントではいらっしゃるでしょうけどね。私としては、「熊本県の服を着る」ということにこだわっていて。スーツも古荘本店さんで作っていただいていますし(笑)でも最近はやっぱり「ubusuna」ですね!
プライベートでもビジネスでも「ubusuna」を着る理由
古荘:実際「ubusuna」の服のどの辺を気に入って頂けていますか?
中島社長:私は特に丈の長いものをよく着させてもらっています!どこにもないデザイン、和であって洋であって日本の服であって。「和装でもない洋装でもない日本の服」とデザイナーの方がおっしゃっていたのですが、本当にそうだな、と思っていて。「ではどこの服ですか?」と聞かれたら「熊本やぜ」と。MADE IN JAPAN ではなく MADE IN KUMAMOTOというところに結局惹かれています。あとは竹だったり、肥後木綿だったり、使われているものにもこだわりがあって、そういう点でも気に入っています。着やすいですし。
古荘:気持ちいいとおっしゃってましたよね。プライベートで街にでるときにも着用してくださっていて。
中島社長:そうですそうです。洋服屋さんだったり、美的なお仕事されている方からは「なんの服?どこの服?」と聞いてもらえることも多くて。本当に評判が良いんです。
古荘:「熊本産」「九州産」のもの、ストーリーがあるものを纏うことによって何か気持ちとして違うところはありますか?
中島社長:それはもちろんありますよ!「ubusuna」はあさぎりの工場でも作られていると思うのですが、私の母の実家があさぎりなので、そういう繋がりも感じて、熊本の人間として誇らしい気持ちになりますよね。東京に出張に行った時にも普通に着ますよ。今着ているものとは別のユニセックスの白と黒のロングシャツも結構着るんですよ。ロングシャツ、気に入っていて黒も買わせていただいて、あれ結構評判いいんですよ。
古荘:私達も男性がロングシャツを着こなすイメージが元々なかったのですが、中島さんが着こなしてくださったので、別注で作ってみたんです。それをベースに今後半袖だったり素材を変えたりして作っていく予定です。
中島社長:うちの会社、会議室にもくまモンを置いていて、従業員にも熊本産「ubusuna」の服を着てもらって、「熊本ラブ」っていうのを全面にだしているんです。
中島社長:よく名刺入れをご当地の素材で作ってる方とかいらっしゃるじゃないですか。そういうのと一緒で「ubusuna」の服を「熊本産なんですよ」と推していきたいな、と思っています。でも同時に「簡単には買えないぞ」という気持ちもあったりして(笑)ただ皆さんに着て頂きたいと考える中で、「金額じゃないな」とも感じていて。個人的には正直「ubusuna」の服の価格は安いと思っているんです。
今物流問題があって、ドライバーさんの運転距離が制限されたり、他の仕事でも働き方改革で残業が制限されたりして物が減っている中で、むしろよくこの金額で収まっているな、と。本当はもっと高くなくちゃいけないんじゃないかなと思っています。これから人口が減っていく関係で物価が上がっていく時代の中で、やっぱり「地元で」っていうのを紹介して、それらの価値を見出してお金を払っていく、そして大切に着る。「ubusuna」の服は、一個一個ナンバリングされているので、大切に着るっていうのがやっぱ次の時代につないでいくってことなのかなと思って。
古荘:これも余談なのですが、先週飲み会があってかなり酔っぱらってしまって、帰り道でつまずいて派手に転んでしまったんですよ。その時も全身「ubusuna」を着ていて、「これは膝破れたかなー」と思って見てみたら、まったくどこも破けていなくて。しっかり作られているな、と実感しました。丈夫だから長く着られますし。長い目で見れば、というのはありますよね。
中島社長:やっぱりその丈夫さだったり、完成までの手間暇考えたら、作ってくれている職人さんの方々にもしっかりお金が還元されないと、長く続けられないんですよね。「高い」という意見がでることもあるかもしれませんが、携わったたくさんの方々のことを考えれば、私は安いと思います。私は母が和裁をやっていて、子どもの頃からその様子を見ていたので、服を作る大変さを身をもって知っています。それに対するお金は払われなければいけないし、生地を作られている方への報酬もしっかり考えないといけないと思います。
今後の「ubusuna」への期待
古荘:「ubusuna」に対してご要望というか、逆にここまで好きでいてくださっているからこそ、もっとこうしてくれるといいなとかありますか?
中島社長:そうですね、今日はじめてお話しするんですけど、もし今後機会があれば熊本の小中学生にプレゼントできるような服を「ubusuna」として作ってもらいたいですね。
というのも、山江村は実家でもなんでもないんですけど、山江中学校の校長先生が中野先生といって、私の中学校2年生の時の恩師で。当時、先生は新人で23歳だったんですよ。それが今は校長先生になられています。山江村は水害が大変で、山の小学校とか中学校は統廃合する予定で、そんな状況なのでいつか制服を提供できたらな、と思っていて。夏だけとかでも良いので、Tシャツだったり、ガッツリ洗ってもよれないようなポロシャツ的な丈夫なものだったりを「熊本産」で作ってもらえたらな、と。
私自身子どもの頃は、経済的に余裕があるわけではない環境の中で、高校2年の時にサッカーをやっていたのですが、先輩からジャージやスパイクなどを結構もらっていたんです。
そういう経験があるので、私も人吉にあるサッカースクールへマイクロバスを提供したり、サッカーで使うソックスを提供したりですとかはしています。子どもたちになにかしたいな、というのが根本にありまして。
今後そういった提供をするときに、ただ服を渡すのではなく、「これは地元で作られたものだよ」と渡すと、子どもたちの気持ちも違うと思うんですよね。安いものを渡すのではなく、「これちょっと高いものなんだよ」と伝えてから渡せば、子ども達も「え?そうなんだ」と、扱いに気をつけて大切にしてくれると思うんです。
古荘:素晴らしいですね。山江村は農産物として何がありますかね?栗とか?
中島社長:農産物と言ったら栗とヤマメかな。
古荘:ヤマメですか。実際作るとなったら、そういう地元のものが使えるといいですよね。
中島社長:そうですね、相良村とかあさぎりとかどこでもいいと思うんですよね。子どもたちに地域のものを着てもらえれば。
中島社長:うちの会社でも秋口になったらジレも従業員に着てもらおうかな、と。
古荘:月読ベストですかね!
中島社長:おしゃれですよね。従業員のみんなが着ていたらかなりインパクト出そうです。
「ubusuna」を好きな理由=郷土愛
中島社長:「ubusuna」の服ってどこにもないので。今着ているロングシャツ、このパンツとセットで着ないとちょっとまとまらないんですよ。人吉でこのセットを着て洗車とかしていると、知り合いに「その服どこの?」って声かけられたりして。クリエイティブな雰囲気の人に見られるんですよね(笑)
古荘:中島社長はもともとスーツも古荘本店で購入してくださっていて、そのときも色々とこだわって選んでくださったんです。
中島社長:スーツの生地もだいたい早めに持ってきてもらって、まだ持っていないものを選ぶようにしていました。他に好きなブランドももちろんあるんですけど、やっぱり古荘本店さんで作っていただいている服が特別で。担当の東さんにはすごくよくしていただいて、補正し直してくれたりとか、ボタンや裏地、糸など、そういう細かいところのこだわりを教えてもらったりとか。そんな思い入れのあるスーツを、東京に打ち合わせに行くときに着ていくと、みんなで一緒に戦いにいっているような気持ちになれるんです。応援団と一緒に行ってるみたいな。
私にとっての「ubusuna」は「郷土愛」なんですね。ファッションに関しての「何がかっこいい」ってただの主観でしかなくて、自分でも飽きたり気分によっていつもと違ってかんじたり、、それを超えてくるのが「郷土愛」だと思う。仕事をする中でも「ubusuna」を着ていると、「誰かと一緒に仕事をしている」そんな気持ちになれるんですよね。
古荘:嬉しいです。これからもぜひよろしくお願いいたします!
中島社長:こちらこそ!